京都大学

再エネ大量導入を前提とした分散型電力システムの設計と
地域的な経済波及効果に関する研究プロジェクト

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サントリー文化財団研究助成イベント情報

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【部門A】再エネ大量導入を前提とした電力系統の設計、運用、投資に関する研究

【部門B】再エネの地域経済波及効果の定量評価、事業主体、地域ガバナンスに関する研究

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サントリー文化財団研究助成 イベント情報

サントリー文化財団研究助成プロジェクト 第2回研究会
2016年7月16日(土)、於:京都大学

 サントリー文化財団研究助成プロジェクト第2回研究会「再生可能エネルギーによる地域再生の人文社会科学的解明、知見の国際的移転、そして理論と実践の相互作用による人的ネットワーク形成」が、2016年7月16日(土)に京都大学にて開催されました。

 今回の研究会では、自治体主導で再生可能エネルギーに取り組む福岡県みやま市・東京都・静岡県浜松市・長野県飯田市・北海道下川町・岡山県西粟倉村・岡山県真庭市の7つの地域から担当者に来て頂き報告を頂きました。

 みやま市の磯部氏からは、みやまスマートエネルギー株式会社を中心とした地域新電力の取り組みについて報告頂きました。みやま市が55%出資する新電力会社で、太陽光買取の電力買取サービスと低圧電力販売のみやまでんきを運営している。特に、HEMS事業には力を入れており、各家庭で収集したデータをもとに、高齢者の見守りサービスなんでもすっ隊など、エネルギーを通して住民のみなさんに新しい市民サービスづくりに取り組んでおります。今後は100世帯対象に自治体が配電網を所有する実証実験に取り組むとのことです。

 東京都環境公社の小島氏からは、東京都が取り組み始めた再エネ由来のFIT電気供給モデル事業について紹介頂きました。2020年までに20%の再エネ電力利用割合を目標としており、7月から東京都の2つの公共施設に電力を供給しており、気仙沼のバイオマスと調布市の太陽光発電から電力を調達しています。また、FIT共同調達と需給調整の技術支援としてみやまスマートエネルギーと協定を結び、いずれは需給調整を自分たちでできるように目指します。

 浜松新電力の平形氏からは、太陽光発電事業を利用した地域新電力事業を核としたスマートシティを目指して、NTT系企業と地元企業などと共同出資して設立した地域新電力会社について紹介頂きました。市内の太陽光発電(1.05万kW)と廃棄物発電(1500kW)から電力を調達して、しないの高圧受電中心の顧客に絞って電力を供給しております。今後もバイオマス発電や小水力発電など安定した電源を増やす予定とのことです。

 飯田市の小川氏からは、これまで太陽光中心に進めてきたエネルギー自治の取り組みについて紹介頂きました。公共施設の屋根に異例の20年の一括契約で太陽光発電を設置するなど地域振興のために再エネに取り組みました。飯田市は全国に先駆けて再エネ資源は市民の財産であると定義づけた地域環境権を制定し、再エネを通じた地域づくり事業を「公民協働事業」と位置付けて、飯田市による事業の信用補完、基金の無利子融資、助言の支援を進めました。また、上村地区では地域主導型の小水力発電にも取り組んでおり、市場メカニズムを活用して公民協働事業に取り組むことを目指すとのことです。

 下川町の高橋氏からは、現在取り組むバイオマス熱電併給事業について紹介頂きました。下川町は、循環型森林経営を理念としており、平成10年の下川産業クラスター研究会から取り組みがスタートしている。今後計画されているバイオマス熱電併給事業では、@燃料チップ供給事業、A発電事業、B熱供給事業があり、熱電併給事業でさらなるエネルギー支出の流出抑制と林業の活性化を進める。

 西粟倉村の上山氏からは、西粟倉村が目指す百年の森林構想とその取り組みについて紹介頂きました。改修工事でFIT適用になった小水力発電所「めぐみ」の他に、新たな小水力発電の事業調査などを実施している。また、西粟倉村には地域外からの移住者が起業するローカルベンチャーの事例が近年増えており、製材する森の学校や薪ボイラーの村落エナジーなど木質資源を活用したベンチャーが多く活動している。さらに、西粟倉村では、長期的な森林管理をするために、森林所有者と「長期施業管理に関する契約」を結ぶことで、長期的な森林管理をできるようにしている。今後、公共施設や農業ハウスなどに木質バイオマスを活用した地域熱供給を段階的に整備することを計画している。

 真庭市の小山氏からは、バイオマス産業杜市を目指す取り組みにについて報告頂きました。真庭におけるバイオマスの取り組みは1993年の「21世紀の真庭塾」から始まっており、主に@バイオマス発電、Aバイオマスリファイナリー、B廃棄物資源化、C産業観光に取り組んでいます。特に最近では、もともと流通団体目的だった団地をバイオマス関係に使途変更して、バイオマス発電とバイオマス集積場を整備した。バイオマス発電が始まったことで、山林所有者に500円/tの仕組みを実現しました。

みやまスマートエネルギー株式会社 磯部様

みやまスマートエネルギー株式会社 磯部様

活力ある地方創生を目指した地域新電力の挑戦
〜みやま市が取り組むエネルギー政策について〜

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東京都環境公社 小島様

東京都環境公社 小島様

再エネ由来FIT電気供給モデル事業について

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浜松新電力 平形様

浜松新電力 平形様

株式会社浜松新電力の取り組みについて

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飯田市 小川様

飯田市 小川様

エネルギー自治を目指す飯田市の地域エネルギー政策

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下川町 高橋様

下川町 高橋様

下川町森林バイオマス熱電併給事業計画

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西粟倉村 上山様

西粟倉村 上山様

再生可能エネルギー事業への取り組み
〜岡山県西粟倉村での事例紹介〜

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真庭市 小山様

真庭市 小山様

森林と共に暮らすまち
〜バイオマス産業杜市をめざして〜

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サントリー文化財団研究助成プロジェクト 第1回研究会
第1回研究会
第1回研究会
2016年4月16日(日)、於:京都大学 楽友会館

 サントリー文化財団研究助成プロジェクト第1回研究会「再生可能エネルギーによる地域再生の人文社会科学的解明、知見の国際的移転、そして理論と実践の相互作用による人的ネットワーク形成」が、2016年4月16日(日)に京都大学にて開催されました。
 
 宮永先生(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター)からは、「社会的企業」という視点から地域分散型・地域主導型のエネルギーシステムの担い手としての組織主体やその経営のあり方についてご報告いただきました。地域分散型・地域主導型エネルギーシステムの担い手として、今後のあり方を考えるための重要なポイントとして、「法人格」「資源動員戦略」「Multi Stakeholder Governance」という3つの論点に着目されました。

 清水先生(龍谷大学)からは、地域住民の視点から地域再生につながる再生可能エネルギー発電事業のあり方、可能性、課題についてご報告いただきました。採算性や汎用性を重視する「流通エネルギー」、国家規模でエネルギーを考える「戦略エネルギー」、食・住・社会関係など様々な価値が伴う「自給エネルギー」から、地域再生に寄与する価値の実現について述べられました。

 宮永先生と清水先生のご報告に対して、成先生(中京大学)からは、再エネ分野における社会的企業と、条件不利地域におけるwellbeingに関するご討論がなされました。また、他の先生方からは再エネに適した法人格と制度や、アダプティブガバナンスに関して飯田市やタイの事例などを挙げられました。


 中山先生(京都大学)からは、ドイツにおける配電網の再公有化の動きを挙げて、電力網の地域経営の可能性についてご報告いただきました。再公有化が進んだ要因には、大手電力会社のサービスの質への不満など6つの要素を挙げられました。

 西野先生(高崎経済大学)からは、日本における戦前の電力会社を振り返って、公営電気の可能性についてご報告いただきました。現在の大手電力会社は国家総動員法で合併されるまでは、日本に731の電気事業者があり、当時は都道府県など公営が当時儲かる事業だったので、財政改善のために自治体がエネルギーに力を入れていた点に注目しました。

 中山先生と西野先生のご報告に対して、諸富先生(京都大学)からは、公社による電力事業の場合は長期的な視点と公益的な視点から再エネ導入など事業展開が可能であることと、ドイツ連邦カルテル庁が指摘した配電網の細分化に対する懸念した点について挙げ、公益性と安定した分散型殿両システムについて討論しました。また、都道府県営の配電網事業と市町村の役割に関して、米国やドイツにおける州と市町村の役割分担を参考に討論しました。

 ラウパッハ先生(立命館大学)からは、ドイツの都市公社はどう時代に対応できたのか?という視点から、欧州エネルギー市場の転換におけるドイツシュタットベルケの戦略についてご報告いただきました。都市公社は電力だけでなく、ガスや熱供給、ごみや水などインフラ系サービスの総合的供給するのが自治体公社の特徴である。ドイツの発送電分離で都市公社は消えると思われたが、法人化戦略と提携戦略で都市公社は生き残った過程を説明いただきました。

 山下先生(京都大学)からは、ハンブルクにおける発電・小売事業と配電網事業の再公有化の推進要因についてご報告いただきました。ハンブルクでは政治主導で設立されたハンブルクエネルギー(HE)と、住民投票でシュトロームネッツ(SH)の2つの再公有化の事例を挙げ、唱道連携モデルより、HEとSHの再公有化における連合資源を6つの要素(公的法的な権限、世論、情報、支持者、資金、卓越した統率力)で比較しました。

 ラウパッハ先生と山下先生のご報告に対して、千葉先生(五反田法律事務所)からは、ドイツの自治体が保有する配電網事業のコンセッション権利と電力自由化、ハンブルクにおける2つの公社の推進要因について討論しました。特に、再生可能エネルギーの住民参加の事例として、山下先生からご報告があったシュトロームネッツ公社が行った住民投票の制度について注目しました。

最後に、6人の先生方からとても参考になるご報告をいただきました。また、報告をもとにした討論はとても有益で、研究者の方だけでなく、現役の自治体職員の方々からも各地域の実例を伴ったご意見を多くいただき、多様かつ活発な議論が行われました。

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