こんにちは、公認会計士のロディです。
簿記1級を取得し、公認会計士になりました。
- 「簿記1級を取ろうと思うけど、どのくらい難しいんだろう?」
- 「簿記1級は難しそうだけど、できれば早めに合格したいな」
本記事では、そんなご要望にお応えします。
本記事の内容
- 簿記1級の合格率と難易度
- 合格するための近道
一般的には「難しい」と言われている簿記1級試験ですが、近道はありました。
[ 目次 ]
1.簿記1級の合格率推移
2.簿記1級は、簿記2級と比べてどのくらい難しい?
3.簿記1級を取得するまでに、苦労したこと
① どうやってモチベーションを維持した?
4.簿記1級の短期合格に必要な勉強法
① なぜ、「みんなが正解できる問題」を解けないといけないのか?
② どうやって、「みんなが正解できる問題」を知る?
5.簿記1級に短期合格するための、更なる近道
簿記1級の合格率推移
簿記1級の合格率推移(過去5年間)は、次のように推移しています。
簿記1級の合格率推移
- 152回(2019年6月) : 8.5%
- 150回(2018年11月): 9.0%
- 149回(2018年6月) : 13.4%
- 147回(2017年11月): 5.9%
- 146回(2017年6月) : 8.8%
- 144回(2016年11月): 9.3%
- 143回(2016年6月) : 10.9%
- 141回(2015年11月): 9.6%
- 140回(2015年6月) : 8.8%
- 138回(2014年11月): 9.7%
これをグラフにすると、次のようになります。

ややバラつきはありますが、簿記1級の合格率は約10%です。
10人に1人合格する、といったイメージですね。
また、合格ライン(ボーダーライン)は、4科目合計で70点(100点満点)と決まっています。
採点方法について(少しだけ考察します。)
簿記1級の試験内容は、「70点を超える人が10%前後になるように」作成されるのですが、作問者も人間です。
時には3%になったり、20%になっても良いはずですよね。(つまり、もっとブレても良いはずです。)
にもかかわらず、概ね10%前後に落ち着いているのは、簿記1級に「傾斜配点」という制度があるからです。(傾斜配点については、簿記1級の採点方法を知らないと、永遠に落ち続けます。【相対評価】の記事で解説しています。)
ここでは結論だけお伝え話すると、簿記1級の試験委員は採点後に、「合格者数が10%程度になるように」配点をイジっています。
逆に簿記3級・簿記2級では、予め「どこに何点与えるか」が決まっているため、年度によって合格率にかなりのバラつきがありましたよね。
合格率10%の傾向は、今後も続きます。
相対評価の試験とは、全体に対して上位●%なら合格させる、というタイプの試験です。(余談ですが、公認会計士試験も同様です。)
というわけで、今後も合格率が10%という傾向は続きます。
簿記1級は、簿記2級と比べてどのくらい難しい?
今この記事を読んでいる方の多くは、「簿記2級の合格者の方」または「簿記2級の勉強を経験されたことのある方」かと思います。
そこで、簿記2級と比較した場合の簿記1級の難易度を解説したいと思います。(僕は簿記2級・簿記1級どちらも受験し、合格しています。)
実際に受験したときの感覚としては、簿記2級の3倍くらいの難易度であったと感じます。
- 思考力:1.5倍
- 暗記する量:2~3倍
内訳はこんなイメージ(↑)です。
範囲が広く、暗記すべき量がとにかく多いので、そこが一番大変でした。
ただでさえ「簿記」は少し勉強しないとすぐ忘れてしまうので、基本、毎日勉強する必要があります。
合格に必要な勉強時間は700時間なので、簿記2級の3倍くらいの勉強量が必要になります。
>>関連記事:簿記1級の合格に必要な勉強時間は?【実績公開】
一方で、「思考力」という点でもやや難易度が上がりますが、「頭の良い人でないと合格できない」というほどではありません。
僕も大学時代の学力は低かったですが、予備校に通い、普通に半年で合格できましたからね。
ただし、「どうすれば合格点を取れるのか?」を考えるための「思考力」は必要です。簿記2級までは暗記しまくれば良かったのですが、簿記1級になると明確な戦略が必要です。
ちなみに、簿記1級になると「会計学」「原価計算」という新たな科目が追加されます。
「会計学」については、商業簿記と勉強法は変わらず、さほど難しくありません。(むしろ、難易度は低いくらいです。)
一方、「原価計算」は高い思考力が必要になるので、この点は集中して勉強したほうが良いです。最も難易度の高い科目と言えます。
とはいえ、苦手科目のマイナスを他の科目でカバーできるのが、簿記1級試験の良いところです。
勉強時間はかかりますが、誰にでも合格できる試験ですよ。
簿記1級を取得するまでに、苦労したこと
簿記1級試験は、難しい試験です。
そのために毎日勉強をするのですが、最も苦労したのが「モチベーションの維持」でした。
簿記1級試験は、誰でも受かることが可能な反面、誰よりも努力することが求められます。
そのために勉強し続けなければならないのですが、、、勉強の習慣がなかった自分には、これが一番ツラかったです。
特に働きながら簿記1級を目指す方は、一番のネックになるかと思います。
どうやってモチベーションを維持した?
僕自身は「楽しいことなら割と続けていられる性格」なので、簿記も楽しめば続けられるはず!と思いました。
でも、正直「簿記自体」はまったく面白いと感じられません。
そこで、どうすれば楽しめるか?を考えました。
僕の場合は、ゲームが好きだったので、「ゲームで他のプレイヤーに勝利する感覚」や「クイズゲームで1番を取る」といった感覚にシフトしました。(伝わりづらかったら、すみません、、、)
たとえば僕が利用していたネットスクールという予備校では、定期的にミニテストが実施されていました。
そして「その毎回のテストで満点を取ること」を目標にし、ゲーム感覚で勉強を進めることで、本試験までモチベーションを維持することができました。
こんな感じで、自分をうまくコントロールすることで、あまり挫折することなく合格できました。
簿記1級の短期合格に必要な勉強法
簿記1級の合格率は10%と難関なので、モチベーションを維持して勉強を続けよう、というお話をしました。
一方で、具体的な「勉強法」として、工夫したこともあります。(結構重要)
それは、「みんなが正解できる問題は、必ず理解し、暗記すること」です。
これはとても大切な戦略でして、実は「公認会計士試験」でも必要となる戦略です。
なぜ、「みんなが正解できる問題」を解けないといけないのか?
先述したとおりですが、簿記1級試験は相対評価の試験であり、傾斜配点が付きます。
これは言い換えると、「みんなが正解する問題には配点がきて、みんなが正解できない問題(難問)には配点がこない」ということになります。
つまり、難問を解けるようになる必要はないのです。
難問は理解することが難しいので、多くの勉強時間が必要になります。
しかし、そもそも配点が来ないので「そんな部分は勉強する必要がない」ということに気付きました。
ただでさえ多くの勉強時間が必要とされるので、できるだけ勉強時間を減らすために、必要のない部分はガンガン切って進みました。
とても効率的な戦略ですので、ぜひ取り入れてほしいです。
どうやって、「みんなが正解できる問題」を知る?
とはいえ「みんなが正解できる問題」を自分だけで判断するのは、危険です。
この判断を誤ってしまうと、「みんなが正解できる問題」を勉強しなかったり、「誰も正解できない問題」を一生懸命勉強してしまうかもしれません。
そこで必要になるのが、「答練」です。
僕が利用していたネットスクールでは、計10回の答練が実施されました。答練では問題ごとに「重要性」や「難易度」が示されるため、これが1つの判断指標になります。
この答練の「重要性」「難易度」を無視して勉強を進めると、非常に膨大な勉強時間がかかると思います…。
完璧主義は捨て、効率的に短期間で合格をめざした方が良いと思います。
簿記1級に短期合格するための、更なる近道
たまにおられるのですが、独学で簿記1級を取得するのは、かなり難しいのでオススメしません。(簿記2級までは独学も可能ですが、簿記1級はかなり無理があります。)
700時間で合格できるのは予備校を利用したケースでして、独学になるとその2倍から3倍の勉強時間が必要になると言われています。
ただでさえ時間が多く必要になりますし、時間のない方も多いはずですので、できるだけ時間を削減する努力は必要です。
予備校の活用は、マストだと思った方が良いです。(頭の良い人は例外ですが)
ちなみに個人的に一番のオススメは、ネットスクールという予備校です。
時間がなく、効率的に勉強をしたい方には特にオススメです。
>>関連記事:ネットスクール簿記1級講座の評判・口コミは?【会計士が解説】
時間は有限なので、僕は時間をお金で買いました。
そのほか、具体的な勉強法は「簿記1級の勉強法を、公認会計士が徹底解説【落ちないテクニック】」でまとめています。
ぜひ早く簿記1級を取得し、その先の明るい未来を手に入れましょう。