こんにちは、公認会計士のロディです。
2010年に公認会計士試験の勉強をスタートし、2013年に合格、2021年からは会計事務所を開業しています。
- 「公認会計士になるには、どんなプロセスが必要なの?」
- 「公認会計士になるには、何から始めれば良いの?」
本記事では、そんな疑問を解決します。
想定読者
- 公認会計士資格に興味がある方
- 公認会計士について、情報を収集している方
[ 目次 ]
1.公認会計士になるには?【全体像】
2.公認会計士になるには?【 ① 受験勉強期間 】
① 勉強開始
② 短答式試験(1次試験)に合格する
③ 論文式試験(2次試験)に合格する
3.公認会計士になるには?【 ② 就職 】
4.公認会計士になるには?【 ③ 働く+少しだけ勉強 】
① 実務に従事する(2年間)
② 補習所に通う(3年間)
③ 修了考査(3次試験)に合格する
④ ゴール:公認会計士登録
5.公認会計士に向いている人は、どんな人?
6.公認会計士になるには、学歴は関係ある?
7.公認会計士試験は、独学で合格可能?
8.公認会計士になると、年収どのくらいになる?
9.公認会計士が将来なくなるって、本当?
10.まとめ:公認会計士を目指す前に、しっかりと情報収集を。
公認会計士になるには?【全体像】

公認会計士になるには、次のステップを踏みます。(上の図もご参照ください。)
① 受験勉強
- 勉強を開始
- 短答式試験(1次試験)に合格
- 論文式試験(2次試験)に合格
② 就職
- 就職活動 → 就職
③ 働く+すこしだけ勉強
- 実務に従事(2年間)
- 補習所に通う(3年間)
- 修了考査(3次試験)に合格
- 公認会計士登録
公認会計士になるには、まず「短答式試験」と「論文式試験」に合格しなければなりません。
論文式試験の合格発表後は、すぐに就職活動が始まり、約3週間で就職先が決定します。
就職後は、仕事をしながら「補習所」にも通う必要があります。
補習所で必要な単位数を取得し、かつ実務に2年以上従事した時点で、「修了考査」を受験する資格が与えられます。これに合格すると、晴れて「公認会計士」として金融庁に認可され、登録することができます。

公認会計士になるには?【 ① 受験勉強期間 】

公認会計士になるには、まず「短答式試験」と「論文式試験」に合格する必要があります。
合格率は、短答式試験が約10%、論文式試験が約35%と、難関試験です。
短答式試験は年に2回(12月と5月)に実施され、論文式試験は年に1回(8月)に実施されます。

なお、公認会計士試験に「受験資格」というものはなく、誰でも受験することができます。
勉強開始
公認会計士試験に合格するために、受験勉強をスタートします。
多くの受験生は「予備校」を利用します。
論文式試験まで合格するための平均勉強期間は2~3年で、平均勉強時間は5,500~6,800時間です。
1日あたりの勉強時間に直すと、6~8時間ですね。

関連記事:公認会計士合格までの勉強時間は7000時間でした【失敗した話】
短答式試験(1次試験)に合格する
短答式試験は「マークシート方式」の試験で、全4科目(財務会計論、管理会計論、監査論、企業法)から構成されます。

逆に、短答式試験さえクリアしてしまえば、論文式試験はスムーズに合格できる傾向にあります。
なお、短答式試験では一部「科目免除」という制度があります。
人によっては、この科目免除制度を活用し、戦略的に短答式試験を突破される方もいます。
論文式試験(2次試験)に合格する
短答式試験をクリアすると、論文式試験を受験することができます。
論文式試験は、「記述式」の試験です。

もちろん母集団は「短答を突破してきた人たち」になりますが、体感的にも論文式試験のほうがラクだったと感じています。
論文式試験は、「会計学」「監査論」「企業法」「租税法」「選択科目」の5科目から構成されます。
ただし、論文式試験には、短答式試験とは異なり「科目合格」という制度があります。

論文式試験では、この科目合格精度をうまく使い、戦略的に(段階的に)合格を目指される方も多いです。
公認会計士になるには?【 ② 就職 】

論文式試験に合格すると、就職活動が始まります。
ここでは、ほとんどの就活生が「監査法人」に入社するために、就職活動を行います。
監査法人に就職する理由
なお、2023年現在において、監査法人の就活市場は売り手市場です。(就活生にとって、有利な状況です。)
多くの監査法人で人手不足となっており、ほとんどの就活生はBIG4(四大監査法人)から内定を貰うことができます。

そのくらい、就職活動はイージーです。
就職状況については、次の記事で詳しくお話しています。
公認会計士になるには?【 ③ 働く+少しだけ勉強 】

短答式試験、論文式試験という最難関をクリアし、就職先が決まると、いよいよ監査法人で働くことになります。
公認会計士になるまで、あと少しです。
登録をするために必要な要件は3つあります。
- 実務に従事する(2年間)
- 補習所に通う(3年間)
- 修了考査(3次試験)に合格する
まず、働きながら、補習所に通う必要があります。
実務2年、補習所3年とありますが、同時並行することになります。(合計5年かかる、というわけでは無いですよ。)
ちなみに…
この時点ではまだ「公認会計士」ではありませんが、一般に「会計士」というと「論文式試験に合格し、監査法人や会計事務所で働いている人」を指します。
そのため、実質的にはこの時点で公認会計士になれている、とも言えます。(ただし、名刺に「公認会計士」と書くことはできません。)
実務に従事する(2年間)
監査法人に就職したら、実際に働き始めます。
監査法人での業務内容は、「会計監査」という業務です。
会計監査とは、一言で表すと「会社の健全性を診断すること」です。
この「会計監査」は、公認会計士の「独占業務」と呼ばれ、公認会計士(試験合格者)でなければ携わることのできない業務です。

補習所に通う(3年間)
補習所(実務補習所)とは、公認会計士協会の管轄する「塾」のような場所です。
ここでは、一人前の公認会計士になるために、「会計」「監査」「税法」「経営」など、様々な分野を学習することになります。
ほとんどの人が働きながら補習所に通います。(授業は平日午後6時からです。ちなみに土日コースも選べます。)
という声もありそうですが、こちらはご心配なく。
監査法人では、補習所がある日は優先して補習所に行かせてもらえるので、大体午後5時くらいには切り上げることができます。
大学のような感じなので、正直寝ていても単位は取れます。
ただし、3年間で計10回の「考査」というテストを受ける必要があり、こちらで合格点を取らなければ追試になります。
ちなみに…
補習所の講義は、原則として3年間通う必要がありますが、申請することで「2年間」に短縮することが可能です。(ただし、授業のスケジュールが過密になります。)
修了考査(3次試験)に合格する
2年間の実務要件、補習所講義270単位の取得、および10回の考査で合格点を取れたら、いよいよ修了考査(3次試験)を受験する権利が得られます。
公認会計士になるには、この最終試験をクリアしなければなりません。
修了考査の合格率は、約70%とかなり易しい試験です。
なお、修了考査に合格するために必要な勉強時間は、約200時間です。

修了考査は「確認テスト」のような位置づけなので、難易度は低く、普通に勉強していれば合格できます。
ゴール:公認会計士登録
修了考査に合格すると、晴れて公認会計士として登録することができます。

勉強を始めてから、合計7年で「公認会計士登録」できました。
公認会計士に向いている人は、どんな人?
公認会計士になるには、以上のプロセスを経る必要があります。
では、どんな人が「公認会計士に向いている」と言えるでしょうか。
そのため、「コツコツ努力できる人」が公認会計士試験に合格しやすいです。

また、公認会計士の仕事は、とても細かく、またコミュニケーションが多く必要とされます。
そのため、「細かい作業が得意な人」や「会話が好きな人」は、公認会計士という職業が向いているでしょう。
公認会計士になるには、学歴は関係ある? 高卒・中卒でも目指せる?
公認会計士に、学歴は関係ありません。
就職活動で「学歴」が関係することもありませんし、転職時に「学歴」によって年収が変動することもありません。
もちろん、学閥などもありませんよ。
また、
といったご相談を受けることがあります。
大丈夫、ご安心ください。
実は、公認会計士試験合格者は、「大卒の方」よりも「高卒の方」の方が数が多いです。
その根拠は、次の記事で公開しています。

公認会計士試験は、独学で合格可能?
公認会計士試験に独学で合格することは、不可能に近いです。
僕の周りの公認会計士で「独学で合格した」という人は、過去に1人しかおらず、僕自身が受験した感想としても「ふつうの人に、独学は無理」だと感じています。
とはいえ予備校代は高額なので、パンフレットを入手し、じっくりと健闘した方が良いでしょう。
たとえば「クレアール」という予備校であれば、資料請求によって、一部の講義を無料で見ることができます。
授業を見てから選んだほうが、自分に合った予備校が選べますよね。
>>クレアールなら、無料で資料請求が可能です。
公認会計士になると、年収どのくらいになる?
監査法人に入社したあとの年収は、非常に高額です。
目安は次のとおりです。
監査法人での年収の目安
- 1年目:450万
- 5年目:700万
- 12年目:1,000万
たとえば、大学在学中に論文式試験に合格した場合、30代前半で年収1,000万を達成します。
通常のサラリーマンには、達成がほぼ不可能な水準ですね。

これが目的で公認会計士を目指す人も多いですよ。
年収の詳細については、次の記事でお話しています。
関連記事:公認会計士の年収はどのくらい?【給料明細をお見せします。】
公認会計士が将来なくなるって、本当?
よく、公認会計士はAIに淘汰される、なんてお話を耳にします。
公認会計士の仕事(会計監査)をAIに奪われるのでは?という話なのですが、結局責任を負うのは「人間」ですので、公認会計士がいなくなることは有り得ません。
このあたりは、下記の記事でまとめていますので、ご興味があれば読んでみてください。
まとめ:公認会計士を目指す前に、しっかりと情報収集を。
まとめです。
公認会計士になるには?まとめ
- 「短答式試験」「論文式試験」が最大の関門
- 論文式試験に合格してしまえば、そのあとはスムーズ
- 独学合格は、ほぼ不可能
- 就活はかなり楽
- 受験資格は不要で、誰でも目指せる。
公認会計士になるプロセスで一番の難所は、何といっても「短答式試験」「論文式試験」です。
試験制度について、もっと深く知りたい方は、予備校からパンフレットを手に入れると良いですよ。
合格者の「体験記」や、実際の授業のスケジュール感など、受験生活をリアルにイメージすることができます。
>>クレアールなら、無料で資料請求が可能です。
無料の講義もついてくるので、予備校選びにも使えます。一石二鳥ですね。